オイル交換は本当に必要?適正な交換タイミングとは?
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車が動くために必要不可欠なのがエンジンオイルです。
無数の金属の塊で構成されているエンジンの内部が、
潤滑に動作し、動き続けるために、
1台の車に何リットルものエンジンオイルが使われています。
では、そのエンジンオイルの正しい交換時期はご存知ですか?
国家一級整備士である私が、簡潔にまとめてみました。
エンジンオイルの役割とは?
まずはエンジンオイルの役割をまとめてみましょう。
エンジンオイルの役割は、大きく分けて5つございます。
⦁潤滑作用
1秒間に数千回転もの動作を行うエンジン。
その動作の金属摩擦を減らし、スムーズに動かします。
⦁密封作用
エンジン内の気密性を保ち、適切な密閉空間をつくりだします。
⦁冷却作用
エンジン内部は燃焼により、非常に高温にさらされています。
エンジン内部の熱を吸収し、オーバーヒートを防ぐ役割があります。
⦁洗浄分散作用
燃焼によって発生した汚れをオイルに取り込み、エンジンを綺麗な状態に保ちます
⦁防錆作用
エンジン内部に発生するサビ、腐食を防ぎます。
これらの5つの役割の内、どれか1つも欠けてはいけません。
何か1つでも欠けてしまうと、トラブルの原因となってしまいます。
エンジンオイルの種類
エンジンオイルには大変多くの種類があります。
ドロドロに硬めのものや、水のようにサラサラのもの。
1リットル数百円のものから数千円のものまで、実に豊富なラインナップがございます。
一体どのオイルを選べば良いのでしょうか?簡単にまとめてみましょう!
大きく分けるならば、エンジンオイルは2パターンに分けることが出来ます。
[低粘度オイル]と[高粘度オイル]です。
低粘度オイルの特徴
・エンジンが低温時の始動性が良い。
・燃費が良くなる
・高温時、高回転域での保護性が悪い。
高粘度オイルの特徴
・高温時でもしっかりとエンジンを保護する
・静寂性に優れている
・燃費はあまり良くない。
上記の特徴からまとめると、
最近の主流となっているエコカーと呼ばれるハイブリット車、
街中でアイドリングストップを何回も繰り返す車などには、
低粘度のオイルがオススメとされています。
逆に、高速でスピードを出す車、排気量の多い車などは、高粘度のオイルが適しています。
つまり、車への目的、自分の走り方からオイルを選択する必要があるというわけです。
エコカーに高粘度のオイルを入れても、せっかくの低燃費車でも、
本来のパフォーマンスを発揮することは出来ないのです。
オイル交換のタイミング
さて、ここまで伸ばしてしまいましたが、
今回の大目的である、オイル交換のタイミングについてまとめていこうと思います。
ディーラーなどでは、
1万〜2万km、または定期点検毎の1年を周期に交換されると良いとされています。
しかし、私はもっと早いタイミングで交換したほうが良いと考えます。
出来るのならば、4,000〜5,000km毎、期間でいえば半年毎の交換を推奨します。
なぜかと言うならば、日本の道路状況、交通状況を考えると、
エンジン、そしてエンジンオイルにはあまり良くない環境が揃っているからです。
信号毎のストップ&ゴー、渋滞、コンビニなど近距離への移動などなど、盛りだくさんです。
欧米のように、数百kmの道のりを一定のスピードで、
かつ定期的に走り続けることが出来るのならば、
上記のタイミングよりも長いスパンでみても良いかもしれません。
しかし、日本では高速を除けば、そのように走れる道は滅多にありませんよね?
そして、距離だけでなく、半年毎の交換を推奨する理由は、
エンジンオイルは車に乗っていなくても劣化するからです!
これは車に詳しくない人は、知らない方が多いのですが、原理としては非常に単純です。
空気中の水分、エンジン内の熱でエンジンオイルも酸化をします。
ご自宅のしょう油や油をイメージすると分かりやすいかもしれません。
置いておくだけなのにしょう油は酸化して真っ黒になってしまいますよね?
それと全く同じ原理です。
「私はあまり車に乗ってないから平気」と考えているなら危険です。
久しぶりに遠出するから乗ろう。
と考えいざ乗ってみたら、道半ばでトラブルに、
なんてことも起こってしまうこともあるかもしれません。
「ディーラーで1万kmで良いと言われたから」と言う方もいるかもしれません。
それも危険です。
ハッキリと言ってしまうと、ディーラーは車を長く乗り続けるためのアドバイスはしません。
ディーラーは新車を売ることが1番の目的だからです。
もちろん、店舗や担当してくださってる方によって違いますので、
全てのディーラーがそうとは限りませんが、
私も多くのディーラーマンにも友人がいますので、内部事情はよく分かっております・・・
メーカー名は伏せますが、
とあるドイツ車メーカーのディーラーで働く友人から聞いた話では、
「1万km毎の交換で平気」という言葉を信じていたお客様のお車。
新車で購入して初めての定期点検(購入から1年)ちょうど約1万km走行したところでした。
いざ、エンジンオイルを交換しようとしてドレンを開けたら、
真っ黒でドロドロなオイルが流れ出てきました。
とても新車で購入した車から出てきたオイルとは思えなかったそうです。
オイル交換は本当に必要?適正な交換タイミングのまとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はエンジンオイルの交換時期について説明をしていきました。
当然、車種、車の乗り方によって、今回の例が当てはまらないこともございます。
しかし、愛車を長く乗り続けたいのであれば、
短いスパンで定期的にオイル交換することが、
ユーザー様にとって一番簡単で効率良い方法なのです。
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